服従や従順と聞くと・・・
自分を抑えて従わなければならないとか、相手より立場が下等になるなど、日本人はあまりいい意味で受け取らないように思います。
犬と接する際にの服従とは、決してそのようなマイナスの意味では使いません。
犬の従順や服従とは、どのような意味があるのでしょう。
犬の群の関係性
「犬は群の中にトップのリーダーがいてきちんとした上下関係がある。だから人間は、犬の上に立ち厳しくしつけを行う。」
このような考え方が、日本には広まっているように思います。
私の考えでは、ある意味“正解”で、ある意味“不正解”です。
犬と暮らすにあたり、人間がリーダー性を持ち、安心と安定を与え、導きまとめていくことは重要です。
リーダー以外のメンバーは、調和を作り出す存在であり、上下という意味ではなく“従う側のエネルギー”を持っています。
犬の群の中には、やはり多少の上下関係はあるかと思いますが、人間社会のように無理矢理で明確なライン引きはないと思っています。
リーダー以外の犬は、
叱ったり叱られたり、喧嘩に勝ったり負けたり、一緒に遊んだり眠ったり、支えあったり、対等な部分を持つ“仲間”なのです。
犬同士は体格さなどではなく、経験値によって相手を測るとも言われています。
穏やかで落ち着いた成犬や老犬は慕われ、尊敬・尊重されることが多いです。
また、怯えがちだったり攻撃的で不安定な犬は攻撃されやすくなるように思います。
また、子犬は犬社会のルールや群で暮らすルールを教えられるためによく叱られます。
従順な犬とは
従順とは、
「心がオープンになり開放され、リラックスして安心し、心が安定している状態」のことです。
リラックスも勘違いされやすい言葉で、力が抜けダラダラゴロゴロしてる状態のことではありません。
リラックスとは体のこわばるような無駄な力を抜き、心は適度な集中力を持っている状態のことを言います。
怯えて従っていたり、我慢し心を閉じ体がフリーズしている・興奮しているがポーズだけとっているなどの状態ではありません。
犬が過度な興奮になりすぎないように、適切にコントロールできることがしつけの重要なポイントになると思います。
服従な犬とは
服従とは、
「従順な心でリーダーに従う」ということです。
犬は従う側のエネルギーを持って生まれてきます。
生まれつき支配欲しかなく、人間よりもリーダーになるタイプの犬は、ほぼ存在しないに等しいです。
犬が服従するには、きちんとした人間のリーダーが必要です。
服従と聞いてイメージしやすいのは、ゴロンとお腹を見せるポーズかと思います。
このポーズの意味は、「私の負けです、あなたに従います。」ではなく、 「私は争う気はありません。落ち着いてください。」という意味が大きいです。
犬には、このようなポーズ(ボディランゲージ)がとても多くあります。
それをカーミングシグナルと言います。
基本的に争いを避け、調和を測り、社交的で穏やかな生き物である”犬”の知恵です。
信頼関係を築けている犬がお腹を見せるのは、飼い主が喜ぶのでそのポーズをして甘えているということもありませすが、怒られている状況から解放してもらえるので逃げられるためにポーズをとっているだけのこともあります。
服従訓練というものもありますが、これは信頼関係を結ぶために行うトレーニングのことだと思っています。
決して恐怖などで一方的に人間に従わせるための訓練ではありません。
まとめ
「信頼の心で服従する=安定した心の状態で信頼し従う」ということです。
犬にとって心身が楽であり、自然体で幸せな状態でもあります。
飼い主さんはきちんとしたリーダー性を持ち、従順と服従のいいイメージを描き、しつけやトレーニングを行いましょう。