【神社巡り〜長野県〜】ドラマ白線流しのロケ地にも。合格祈願をするなら深志神社

別名、深き志の天神様

歴史ある城下町、松本の守り神(産土神様)として展開を遂げてきた天満宮。

地域に根ざした神社は、今でも人々から厚い信頼と信仰を寄せられています。

長野県松本市のJR松本駅「お城口」から、780メートル程まっすぐ進むと、右手に松本市民芸術館があります。


↑松本市民芸術館

芸術館の手前で右折をして、160メートル程進んだ先の左手に、深志神社があります。

御祭神と神社の所以(ゆえん)

御祭神は、

  • “お諏訪さま” こと 建御名方富命(たけみなかたとみのみこと)
  • “天満宮天神さま” こと 菅原道真公

2柱の神様が祀られています。

この2つのお宮の創祀(そうし)は、信濃の国守護である小笠原氏の信仰と深く関わりがあります。
深志神社の社伝によれば、宮村宮については、諏訪明神がかつて井川に居館していた小笠原貞宗により、その丑寅(北東)にあたる捧荘であった庄内の地に、霊夢を受けて社殿を造営し、南北朝時代のはじめ暦応2年(1339年)9月9日に祀られ、宮村大明神と称されました。

一方、天満宮は、小笠原長基がその昔、応永9年(1402年)に京都の北野天満宮を館外の鎌田村へ勧請しましたが、その後、慶長19年に子孫である松本城主の小笠原秀政により鎌田村より現在の場所(宮村宮の北側)に移されて、並び祀られました。

天保12年(1841年)に社名が深志神社と改められ、社格は明治5年に郷社、昭和3年には県社に昇格して、現在に至っています。

学問の神様、藤原道真と梅

藤原道真は、学問の神様としてその名が知られていますね。

道真は“幼い頃から優秀で、武芸にも優れていた” というところから来ています。

特に、福岡県にある太宰府天満宮・京都にある天満宮の総本社、“北野天満宮”が有名かと思いますが、彼を祀る天満宮は全国に点在しています。

深志神社も、そのうちの天満宮のひとつです。

藤原道真が、“梅を愛していた”ということは、ご存知でしょうか?

梅を愛した藤原道真

「東風(こち)吹かば にほひおこせよ梅の花 主なしとて 春な忘れそ」

春の東風が吹くようになったら、花を咲かせて香りを届けておくれ、梅の花よ。 私がいなくても、春を忘れないでいておくれ。

解説:彼は、もともと低い身分でしたが、学問に優れていたため、右大臣にまで出世しました。 当時の左大臣の藤原時平からねたまれ、あらぬ罪で、大宰府に左遷させられました。 その時に、梅が大好きだった菅公が京都の紅梅殿の梅に向けて詠んだ歌のようです。
引用:ことわざ学習塾

これは、彼が大人になり京都から太宰府(福岡県)へ左遷された時、彼が自宅別邸である紅梅御殿の白梅を想って詠んだ句です。

深志神社では、こちらの句が歌碑になっています。


歌碑は社務所前の築山の中央にあり、今回は禰宜さんに案内してもらって近くで撮影できましたが、通常は庭の手前での撮影になります。

これ以外にも、幼い頃に梅を想って詠んだ句・漢詩があります。

5歳 和歌「梅の花 紅の花にも 似たるかな 阿呼がほほにも つけたくぞある」

幼少期(幼少の名は阿呼(あこ))、体が弱かった道真が、庭に咲いている梅で頬を着飾りたいと想って詠んだ句です。

13歳 漢詩「月夜見梅花(げつやにばいかをみる)」

(かがやく月は、晴れた日の雪のようだ。花咲く梅は照らされる星に似ている。愛おしいなぁ、金の鏡のような月光が転じて、庭の玉のような花房を香らせているのは。)

幼い頃から、梅と関係があった菅原道真。

ここから、菅原道真を祀る所には、梅の模様があしらわれてきました。

梅の紋を探しながら合格祈願

日本各地の天満宮には、梅にまつわる神紋が使用されています。

もちろん、深志神社もそれと同じです。

 

境内の中には、様々な建物があります。

また、梅風閣という建物前には大きな梅の木が咲いています。

こちらの梅が、春先には見どころを迎え、地元住民だけでなく他県からの参拝客も多くなります。

この時期は、ちょうど学校や会社の入試試験とも重なり、合格祈願のためにさらに賑わいを見せています。

ぜひ、梅の紋を探しながら、歩いて欲しいと思います。


写真:深志神社の境内〜御霊代出御 四百年奉祝祭より〜

深志神社の御朱印にも梅の模様

梅の絵が施されています。

色彩豊富で綺麗過ぎる境内の見どころ

拝殿

一間社流造極彩色銅板葺の本殿は、平成14年の御正忌大祭記念事業で荘厳な本殿として全面的に改修されました。

入母屋極彩色銅板葺で幣殿を伴う拝殿の正面には、伏見宮貞愛親王(ふしみのみやさだなるしんのう)御親筆で明治30年に造られた社号額が掲げられています。

朱色がとても鮮やかで、それぞれの舎に見応えがあります。

よく見ると、梅の紋がしっかりと刻まれていますね。

写真:深志神社〜拝殿〜

神楽殿

江戸時代前期寛文12年(1672年)に建立され、改修が重ねられた神楽殿(深志神社に現存する最古の建物であり、かつては拝殿)があります。


優美な姿はそのままにして、瓦から銅板に葺き替えられました。

梅風格

この建物は10年位前に建て直され、以前の木造時代に比べると、現代的建物に変わりました。
現在は、着付け教室などが開催され、地元民からも利用の多い施設になっています。

梅風閣には、大きな梅の木が植わっていて、時期になると満開になります。

絵馬殿

江戸時代から奉納されている絵馬が保存され、ガラス越しに見ることが可能ですが、お祭り以外の時は、シャッターが降ろされているために一般の観光では見ることが出来ません。

また、ここの深志神社での合格祈願では、合格祈願絵馬を誠に願いながら書くと後利益があると言われています。

写真: 深志神社〜絵馬殿〜

撫で牛で絶対合格祈願!

神楽坂の西の方には、うしの像があります。

この牛を撫でると後利益があると言われています。

撫で牛は、撫でられすぎて耳などの細かい部分が欠けてしまっています。それだけご利益があるという証拠ですね。

こちらにも神牛。

ドラマ白線流しの舞台となった

1996年にフジテレビ系列で放送。

主演の一人でもある中村竜(富山 慎司役)、の実家として深志神社が登場。ドラマ内で結婚式が行われたり生活の拠点として描かれています。

(他主演:長瀬智也、酒井美紀をはじめ、京野ことみ・柏原崇・馬渕英里何・中村竜・遊井亮子繰高校卒業目前とした青春恋愛ドラマ。)

スピッツの「空も飛べるはず」が主題歌。

 

境内内の地図


この図は「信濃宝鑑」という歴史図書社から昭和49年に発行された境内の地図です。

現代の境内と比べながら歩いて見ると新しい発見があるかもしれません。

深志神社で開催される行事・お祭り

歳旦祭(1月1日)
元旦の午前0時より催されます。国や郷土の発展、市民の幸せ等を祈ります。
初詣・二年参りでは、参拝や絵馬等でその年の無病息災・学業成就等の幸運を祈ったり、お守りやおみくじ等を購入する参拝客でいっぱいになります。

 

節分祭(2月3日)
2月3日の節分の日に開催されるお祭りです。
諸々の邪気を追い払い、福を招き入れます。
豆炒り式・節分祭・豆まきの3段階に分けて行われます。

豆入り式→2時より

節分祭→5時より

豆まき→6時より

毎年、年男・年女。福男・福女を募集しているそうです!

興味のある方は、深志神社に問い合わせてください。
豆炒り式の様子を撮影した動画がネット上にありましたので、紹介します。

八坂祭(7月14・15日)
およそ300年前に松本地方に疫病が大流行したため、当時疫病除けの神様として
全国的に広い信仰を集めていた尾張の国(愛知県)津島神社から御分霊をいただいて祀られたのが始まりです。
そして現在では、毎年、無病息災と身体の健康を祈って「八坂大明神」と「子どもの生年・氏名」を書いた5色の幟を奉納する家族で賑わいます。

天神祭り(7月24・25日)
深志神社の例大祭です。


神輿(市重要文化財)や複数の舞台(市重要有形民俗文化財)の出る大変華やかな、深志神社を代表する大きなお祭りです。
氏子町内、松本平に夏の到来を告げる祭りとして親しまれています。

こちらが、ネット上にありました天神祭りの様子を映した動画になります。

除夜祭(12月31日)
大晦日の午後11時30分より執り行われます。
その一年に感謝しながら、一年の終わりを迎えます。

深志神社近くの観光スポット・オススメグルメ

松本市民芸術館
世界的に有名なオーケストラ指揮者・小澤征爾さん達による、オーケストラコンサート、『セイジ・オザワ 松本フェスティバル』の会場の1つとなっています。
レストランや舞台の関係の売店設備もあり、他にも歌舞伎や地域の小学生による卒業音楽会等のイベントが開催されています。

【関連】松本市美術館近くにある、狛犬の迫力がすごい筑摩神社の記事はこちら

レストラン「天神」


自然、健康、安心、満足、快適をモットーにした、ヘルシーな創作料理が人気のレストランです。

  • 精進コース(ランチ)
  • 旬菜ヘルシーコース(ランチ・ディナー)
  • 満足コース(ディナー)
  • 2時間飲み放題付きご相談コース(10名様~)

といったコースに分かれており、懐石風の美味しい料理が楽しめます。

東京からのアクセス方法

JR中央線で松本まで特急あずさ、またはスーパーあずさで、新宿から約2時間半です。
高速道路では、中央自動車道の松本ICで降りた後、松本駅方面に向かいます。
松本駅「お城口」方面から、780メートル程まっすぐ進んだ先の、右手にある松本市民芸術館の手前で右折をして、160メートル程進んだ先の左手に、深志神社があります。

深志神社住所

〒390-0815長野県松本市深志3-7-43

電話番号

0263-32-1214

深志神社の駐車場

境内に15台ほどの駐車場がありますが、お祭りのある日には使えません。
近隣の有料駐車場をご利用ください。

【執筆者紹介】

うずまき
趣味:スポーツ観戦

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in the early afternoon編集部

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