神社でも、よく「八幡さん」という言葉を耳にするかと思います。
八幡さん、八幡神社とは何なのでしょうか。
八幡神社とは
八幡神社はほぼ全国的にお宮が存在するといわれ、八幡宮や八幡社と称される神社も多くあります、八幡神を祀る神社の数は全国に二万社とも四万社ともいわれています。
八幡大神(はちまんおおかみ)を主祭神とし、応神天皇の母神である神功皇后と比売大神をご祭神としています。
由緒
大分県宇佐市にある、宇佐神宮が総本社です。
画像転載:大分県観光情報公式サイト
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その起源は、欽明天皇の時代(539~571年)にまで遡ります。
宇佐の地に祀られるようになった八幡神(応神天皇)は、現在は奥宮がある御許山に顕現しました。その三年後に菱形池に現れ、「われは誉田天皇広幡八幡麻呂なり」と告げたことから、祀ったと伝えられています。
朝廷に認められるきっかけ
八幡神が朝廷に認められるきっかけとなったものが、託宣(たくせん)です。
託宣とは、神様がお告げを出すこと。代表的な託宣が2つあります。
- 東大寺の大仏造立
疫病などから国を護るというための大仏建立時に、大仏表面に施す金が不足しました。大仏を作るために使われた金属は銅499.0トン、すず8.5トン、金0.4トン、水銀2.5トン。病などの心配事があるのに、大仏建立に膨大なお金を使うと貴族たちから不満が出るでしょう。
そんな時、八幡神から必ず金が出てくると託宣をしたところ、予言通りに。これにより八幡神は大仏開眼式に招かれ、大仏建立の守護神として勧請されました。
- 人臣即位の危機
同時代、僧・道鏡(どうきょう)による天皇即位を企てた事件がありました。道鏡は孝謙上皇の後盾の下で活躍していました。宇佐神宮で八幡神に託宣を求めたところ「天皇家以外は即位させてはならない」と受けました。これにより、人臣即位という天皇家の危機を免れました。このことにより皇位守護の神としても崇められていきます。
八幡宮の後利益
国家鎮護、仏法守護、武門の神様として歴史的に崇敬を集めています。
もともとは皇室の守護神で国家鎮守の神様とされていましたが、源義家などの武家のあつい信仰をあつめ、武運や海運の御利益もあると言われるようになりました。
有名な八幡神の神社3社
八幡神を祀っている神社はたくさんありますが、有名なのはこの三つでしょう。
1、宇佐神宮
大分県宇佐市にあり、八幡神の起源とも言われています。一般に、神社での拝礼は「二拝二拍手一拝」が基本と言われていますが、宇佐神宮では「二拝四拍手一拝」が作法とされています。注意してくださいね。
2、石清水八幡宮
京都府八幡市にあり、国宝とされています。平安時代に国家の守護神として、都の裏鬼門(南西)の方角である男山に頓挫することを託宣し、勧請されたことが始まりです。鎮護国家の神様として朝廷からとても尊崇され、伊勢神宮に次ぐ「第二の宗廟」とも称されました。
3、鶴岡八幡宮
鎌倉の観光スポットとしても名高い神社。頼朝が鎌倉幕府を開き、幕府の守護神として祀ったのが鶴岡八幡宮。以降は、武家の守護神として各地で祀られるようになっていきました。本殿は国の重要文化財で、指定文化財も数多くあります。
まとめ
八幡神宮で八幡様の起源を思い出せば、いつもの参拝が少し楽しくなりますよね。今後も、楽しみながら良い参拝をしてください。