昔の人々は、日々の受難や災厄から身を守るために、神の霊力をもつとされる石や鏡、剣などを祀ったり持ち歩いたりしていました。
お守りは、その名残といわれています。
破魔矢
お正月に神社を参拝した時、縁起物として破魔矢を購入する方もいるのではないでしょうか?
破魔矢は護符の一種であり、
- 魔を破り
- 災厄を祓う武器として
信仰されています。
武器をかたどっていることから、男の子の成長の無事を祈る縁起物として初正月や初節句に使用されていました。
破魔矢の由来
破魔矢の由来は、その年の豊作を占う「弓射競い(きゅうしゃきそい)」といわれています。
弓射競いは射礼ともいわれ、正月にする年占いの一種で、地区ごとに弓射の腕を競い、勝利した地区はその年の豊作に恵まれるというものです。
その弓射競いで使用されたのが破魔弓と破魔矢でした。
江戸時代には、弓と矢に装飾をし、縁起物として贈られました。それが簡略化され、魔を破る・災厄を祓うものとして矢だけが神社で配られるようになったと考えられています。
「破魔」の字が使われたのは、魔を破るものとして伝えられるようになった後世のこととする説もあります。
破魔矢の使い方
① 神棚やリビングなどの清潔な場所、不敬にあたらない場所に祀る
魔を破る・災厄を祓うものとして鬼門(東北)やその時の凶方向を向けてお供えされていましたが、間取りの問題などから飾ることが難しい場合、リビングなどの清潔な場所でも構いません。
飾る前に、さっと埃をぬぐうなど、掃除をしてください。
② 位置は大人の目線より高い場所へ
飾るときの位置は、神様を見下すことにならないように大人の目線より高い位置にしてください。
矢の向きはどちらでも平気ですが、立てて飾る場合は羽を上にします。
お守り
お守りは、常に身に着けていられるようにした「守札」(もりふだ)です。
神職の祈祷により神さまの霊威が込められています。
普段よく見るのは、錦の袋に神札が入っている「懸守」(かけまもり)と言います。
子どもの着物の背中に縫い付ける背守や腕に巻く腕守など、神社によってもさまざまな種類のお守りがあります。
お守りの使い方
① 1年で新しいお守りを購入する
一般的に、お守りは1年でその霊威がほとんど消えると言われています。
1年経過したら、新しいお守りを購入した方が良いでしょう。
ただし、その神社やお守りにもよって変わるので、その神社の方へ質問すると答えてくれます。
② 古いお守りは頂いた神社に納める
その効力が消えるとされている1年が経過したら、神社に返納しましょう。神社では古い授与品を受け付けている時期があるので、その時期に返納するのが良いです。神社に納めたお守りは、お焚き上げされます。
③ 身に着ける
お守りは普段から身に着けるものです。
キーホルダーやストラップになっているものが多いので、鞄や財布に着けやすいですね。
たくさんのお守りを持っていても神様は喧嘩しない
よく聞くこととして、「お守りを2体以上持っていると、神様同士が喧嘩し、その効力が弱まる」というものがあります。
神道では、八百万の神々が存在し、それぞれの神が協力して守ってくださると考えています。
そのため、神同士が喧嘩することはなく、複数身に着けても平気です。
まとめ
破魔矢やお守りなどの神社の授与品を正しく扱うことで、よりその効力を高めましょう!